『緋織氏とトーキングした後も、我は醜く穢れておる。復讐心をこの身に宿してしまったがゆえに』
本当に醜く穢れていたら、相手を知ろうともせずに復讐心に委ねていただろう。
理性や自我を見失ってしまうほどの力が、憎しみにはある。
だけど、オウサマは違うでしょ?
それでも反論し続けるのなら、それごと肯定してあげる。
もし、醜くても、穢れていても。
いいんだよ。
黒ずんだ傷すら丸ごと全部、綺麗で、美しいから。
「今回と同様に、緋織氏を無理やりカフェに連れて行きトーキングしてみたら、我の偏見が次々と壊されたのだ」
あ、オリの時も強引だったのね。
オウサマの無鉄砲さには、あのオリでさえ敵わない。
言わずもがな、私も。
「緋織氏が今もなお紅組から逃亡していること、紅組を恐れて警戒してること、父を愛していたこと、父の死を引きずっていること、我に恨まれていることを存じていること、我になら殺されてもいいと思ってること、けれどまだ死ねないこと」
口の端についたバニラアイスを舐めて、告げる。
「そして我と同じく、守りたい者がいる、“同志”であること」



