どこにもいない。
もうきっと会えない。
そう、わかっていながらも、無意識にあなたを捜していたように。
あなたも、私を捜していてくれたの?
「その時、緋織氏の中に秘められたパッションを、悟ってしまった」
「ぱ、パッションって……目を見ただけで、わかるものなの?」
「先ほども申したであろう?緋織氏は、愛情やら激情やらにはめっぽうわかりやすくなるのだ、と」
華麗にウインクされた。
な、なるほど……?
ってなるわけ。
オウサマにとってはわかりやすくても、私にはわかんないよ。
あーあ、私にもオリの『パッション』を悟れる能力が欲しい。
そしたら、期待も自惚れもしなくて済む。
オリの本音だけを、すくいとれる。
「なぜあのような目をしていたのか、あの目を何に向けていたのか……憎悪以上の疑問に埋め尽くされた。それと同時に、今の緋織氏のことを何も知らないことに、気づかされたのだ」
「だから、お話をして、知ろうとしたんだね」
「相手を知らぬまま、復讐を遂げるわけにはいかぬ」
あぁ、やっぱり。
オウサマは、綺麗で美しいよ。
母親に似て、優しい人。



