なんだ、そうだったのか。
てっきり、オリがいるから双雷に入ったのかと。
中学2年というと……ちょうど“あの時”。
オリと一緒に逃げ回っていた頃だ。
「さすが紅組というべきか、不良になってもなかなか情報を手に入れられず、復讐する機会も得られず、随分と時間を無駄にしてしまった」
オウサマは、お手上げだと言わんばかりに首を緩く振って、肩を竦めた。
……こう聞くと、やっぱり“悪魔”の力は本物なのだと認めざるを得ない。
紅組の依頼で、オリの居場所をパパッと突き止めたんだっけ?
すごすぎ。
「何もできないまま数年経ち、いつの間にか我は高校生になり、副リーダーに任じられるほど強くなっていた。そんなある日、あやつがたまり場を訪れたのだ」
あやつ……オリのこと、か。
高校生になってから、オリは双雷の一員になったんだ。
「我の調査では、緋織氏は外国に逃亡しているはずであったゆえ、緋織氏の姿に大層驚いた」
私と別れた後、オリは海外に飛んだ。
私も風の噂でその情報を聞いていたから、再会した時は夢かと疑った。
だって、もう二度とオリと会えないと、思ってたんだ。
「初めて対面した緋織氏は、レターや写真で知っていた“野々塚緋織”とは大分違っていた。我より高い身長、名門の白薔薇学園の制服、ツートンカラーのヘアスタイル、ミステリアスな雰囲気……どこもかしこも情報とは異なっていた」
「……人は、変わるものだから」
「ユーも、変わったのか?」
「たぶん、ね。自分じゃ気づかないうちに、変わってるんじゃないかな」
カップを持って、コーヒーを喉に注いだ。
昔は苦手だったこの味も、今は飲めるようになった。



