絶対領域





いいところであろうと、やっぱり爆弾を避けられなくて、困る。




なんで。

そんな残酷な言葉を、漏らすの。



まるで、何の変哲もない愚痴のように。


まるで、子守歌を歌うように。



オウサマ、なんで。

微笑してるの。




感情が全く読めなくて、それが本心なのかそうでないのか判断つかない。



どう返したらいいのか、困ってしまって。


そんな自分自身に、なおさら困った。




「……なんで、そう、思うの?」



悩みに悩んだ結果が、これ。


掘り下げただけじゃん。


もっと他に気の利いたこと言えなかったのか、私!



気まずい空気にしちゃった……。

自分で自分を往復ビンタしてやりたい。




「無知は罪、と言うが……何も知らなければ邪悪なエモーション、感情に我を失いかけることもなく、作り物だとしても平和な日々を過ごせたのだと考えると……やはりそのほうが幸せではないか」



自分の中の、世の中の、“普通”が壊れるのはいつだって突然で、一瞬。



前と後では比べものにならないくらい、世界が激変する。


いいようにも、悪いようにも。




――私にとっては、“あの時”だった。




「緋織氏とトーキングした後も、我は醜く穢れておる。復讐心をこの身に宿してしまったがゆえに」


「醜くないよ!オウサマはいつも綺麗で、美しいよ!」



嘘じゃない。ほんとだよ。


さっき校門前で待ってた時も、すれ違う人が皆、オウサマに見惚れていたじゃないか。