絶対領域





「え、憎き相手?オリが?……え??」



混乱するに決まってる。


だって、さっき、同志とか言ってたじゃん!

深い関係だって言ってたじゃん!



「緋織氏を憎らしく思っていた頃が、懐かしい。常に復讐する機会を窺っておった」



だから待ってって。


まだ私の頭が追い付いてないのに、なんでさらに爆弾投下しちゃうの。


もはや瀕死状態だよ。



必死に脳内を整理させて、先ほどのセリフをリピート再生させる。



今、復讐って言った?


ふくしゅう?

復習じゃなくて、復讐?



えっ!?どういうこと!?


……って、これ、花火をした日にも思ったっけ。




「またブラックジョーク?」


「今となればブラックジョークとして笑い話にできるのだが、あの頃は笑った者を全員葬っていたな。それもまたノスタルジアを覚える」



物騒なシチュエーションに懐かしさを感じないで。

微笑ましく語るところじゃない。



……頭がパンクしちゃいそう。




「えーっと……つまり、あのブラックジョークはブラックジョークではなかったと?」


「現在はブラックジョークであるぞ?」


「何言ってんだこいつ、みたいな反応しないでくれる?それ、そのままブーメランだから」



完璧な笑顔を作ったら、キョトンとされた。


こいつ……っ!