双雷の中でも、オウサマとオリは仲がいい。
……というか、お互いをわかっている。
見た目も中身も雰囲気も、2人はちょっと特殊で独特だから、相性が合っているのだろうか。
「ほ、本当にお2人のチームワーク、素晴らしかったです」
「さすがいとこ!」
ゆかりんに続けて拍手するみーくんの言葉に、私とせーちゃんは目を見開く。
「え!?」
「い、いとこ!?」
誰と誰が!?
「おや、言ってなかったかい?我と緋織氏は、正真正銘、いとこなのだよ」
しれっと、さらっと、けろっと。
オウサマはオリの肩に腕を回して、他愛ない話を奏でるように告げた。
……は、初耳だ。
「ちょっと似てるな、って思ったことはあったけど……」
「まさかいとこだとは……って、ゆーちゃんも初耳のはずでしょ!?なんで驚いてないの!?」
「だってぇ、どうでもいいもーん」
あはは、ゆーちゃんらしいね……。
私とせーちゃんは未だに衝撃を受けてるよ。
「そんなことよりさ、早く体育館行こうよ~。バンのクラスのショーが始まっちゃうよぉ」
どうでもいいとか、そんなこととかで片付けられる事実ではないんじゃ……?
でも、自然とゆーちゃんのマイペースさに引きずられてしまうのは、なぜなんだろう。
そこもゆーちゃんの魅力だからだろうか。



