絶対領域





ここで引いてもらわないと、困る。


私の印象がさらに悪くなって、今度の学校生活に支障が出るかも。



それは絶対に避けたい!!




私の必死にさに負けて、せーちゃんは渋々妥協してくれた。



「……じゃあ1時間後に、この教室の前で待ち合わせな」



ん、と差し出された小指に、自分の小指を絡める。


ゆびきりげんまん。

久し振りに交わすソレが懐かしくて、幼い頃に戻った気分だ。




「皆、どこ回りたい!?」


「我は、神亀の皆【ミナ】に会いに行きたいぞ」


「総長が行きたいところならどこでもいいっすよ!」


「……なんでもいい」


「あ、あの、僕、ユウのクラスに行ってみたい、です」


「悠也のとこは確か……脱出ゲーム、だっけ。いいじゃん。そこ行ってみようぜ」




皆は早速席を立って、次の目的地を話し合う。


スケジュールが決まると、行動が早いな。




「またあとでね、萌奈!」

「姉ちゃん、待ち合わせ忘れんなよ!」


「ご来店、ありがとうございました」



みーくんとせーちゃんに、店員さんモードで返事をして、頭を下げる。


顔を上げてもなお、みーくんは手を振ってくれていて、犬みたいで愛くるしかった。