……あれ?

みーくんの姿が見当たらない。


みーくんはどこに……。



「……本物の、天使みたいだ……」



いつもの元気な声が聞こえないと思ったら、背の高いオウサマの後ろで惚【ホウ】けていた。


みーくんは私よりも背が小さいから、声がしないと気づきにくいね。



ボソボソ独り言を呟いてるようだけど、なんて言ったんだろう。



まあいいや。

とりあえず、皆を席に案内しよう。


皆は記念すべき、お客様第一号だ。




「6名様ですね。では、お席へ案内します。こちらへどうぞ」



店員さんモードに切り替えて、もてなす。



うっ……みーくんとせーちゃんのきらきらビームを、背中越しにひしひしと感じる。

気にしたら負けだ。



一番奥のテーブルに連れて行き、メニューを渡した。


一人一人、注文を伺う。



「……以上でよろしいですか?」



はい、の代わりに、シャッター音が響く。


パシャパシャ、パシャパシャ。

スマホを掲げて、カメラアプリで写真を撮りまくってる犯人を、ギロリと睨んだ。



「せーちゃん?」


「どのアングルも最高だよ、姉ちゃん!」



……ランちゃんの言う通りかも。

これは確かに、溺愛フィルターがかかりすぎ。