絶対領域




みーくんだけじゃない。


ゆかりんも、オウサマも、ランちゃんも。

それから、オリもいる。



本当に双雷の皆を連れて、助けに来てくれたんだ。




「なんでみーくんたちが、そいつらと一緒に……?」


「ここに向かってる途中で、バイクの大群に遭遇したから、もしかしたらって思ってこっそり潜【モグ】り込んだんだ!」



そういうことだったんだ。

ヘルメットをしていたし、連中も味方だと思い込んで怪しがらなかったんだろうな。




「萌奈、こいつらは俺らに任せて!」


すばしっこいみーくんは、敵を翻弄して。



「も、萌奈さんは早くあずきさんを……!」


小心者なゆかりんは、怖がりながらも叩きのめして。



「友の窮地とあらば、喜んで我も手助けしようぞ」


独創的なオウサマは、敵の裏をかいて。



「ふ、ふん!しょうがねぇな!俺もやってやるよ!」


警戒心の強いランちゃんは、真正面からぶつかっていく。




そして、オリは。


「……行け」


藍色の瞳に私を映して、小さく微笑んだ。




泣きそうになって、目元をこする。

制服は雨水を吸い込んでるはずなのに、ちっとも重くない。



「うん、ありがとう!」



オリが教えてくれた“強さ”があるから、私はいつでもどこでも戦える。