絶対領域




この戦いは、私たちが勝つって最初から決まってるの。


さっさと負けを認めなよ。

往生際が悪いな。



「私たちの怒りを煽っても、いいことないよ?あんたたちが生き地獄を見るだけ」


「まあ確かに煽ってはいるが、それだけじゃねぇ」



は?何言って……。



……あ、れ?



不意に遠くからバイクの騒音が聞こえてきた。


みーくんたち?

……ううん、違う。


1台や2台じゃない。



この音量からして、もっと多い。


10台は超えてる。



激しい音は徐々にこちらに近づいてきている。



「気づいたか」



ニンマリと不気味に含み笑いするリーダーらしき男に、嘲笑を返す。


新人いびり関係者に電話でもして、この戦いに招いたのだろう。




「負け戦に、お仲間を巻き込むの?とんだとばっちりだね。お仲間が可哀相」


「っ、相変わらず生意気な女だな」



私が動揺すると思った?


残念でした。

敵陣の人数の増員は想定内。



どれだけ相手が多勢でも、手間が増えるだけで、結果は同じだ。