絶対領域






「いってぇ……」


ゆーちゃんの地獄の被害者は、ここにも。



「おい、悠也!!」


「なぁに、セナ。今忙しいんだけど~」


「いきなり鎖で何してくれてんだよ!俺までつまずいちまっただろうが!!」



ゆーちゃんの手前でせめぎ合っていたせーちゃんも、鎖にやられた一人のようで。


膝をついて、泥だらけの顔面を拭っている。



「それはセナの不注意でしょぉ。僕のせいにしないでくれる~?」


「悠也がそんななっげぇ鎖を持ち出したのがいけねぇんだろ!」



また始まっちゃった。

神亀恒例、せーちゃんとゆーちゃんの口喧嘩。



その隙に、敵が三方向からせーちゃんに忍び寄る。



「っ!」



背後からナイフで刺される、すれすれのところで身をよじらせた。


態勢を繕うかたわらに、利き手でびしょびしょの土をすくい取る。



「どりゃあ!!」


ベシャッ!

敵の顔に土をぶつけ、目を潰し、戦闘不能に貶める。



姿勢を低く保ち、殴りかかってきた敵2人の足を払い、転倒させた。





「悠也と言い合ってたら、隙を突かれたじゃねぇか!」


「僕を責められてもな~。油断してセナが悪いんじゃーん」


「俺がいつ油断したっつーんだよ!あぁん!?」


「今だよ、今~。ププッ、だっさ~い」




ああ言えば、こう言う。


低レベルな口論ができる元気があるなら、それを他のことに使ってほしい。