絶対領域





「そっちがその気ならいいもーん!僕だって好き勝手やっちゃうんだから~!」



急にポケットを探り出したかと思えば。


じゃじゃーん、と効果音が付きそうなテンションで、見せびらかした。



ゆーちゃんの必需品である、鎖を。



ずっと隠し持っていたらしい。

さすがというか、なんというか……。



「く、鎖!?」


「あれで、何するつもりだ!?」



警戒する連中に、ゆーちゃんは得意な顔つきで、鎖を持つ手を頭上に上げる。


そして、大きく振り回し始めた。



長い鎖は雨を弾きながら、綺麗な丸を作る。



「じゃあ行っくよ~!」



楽しげなかけ声の、3秒後。

掲げられていた鎖が、地上に下りてきた。



「うおっ!?」


「がっ……!」


「っあ……!!」



鎖は、敵の足を引っかけながら、地面の数ミリ上を滑っていく。


なんとかかわしても、またすぐ鎖はやって来る。



「あはは~、縄跳びみたいだねぇ」



にっこり笑顔が、逆に怖い。


ほんと殺っちゃってるね、ゆーちゃん。

自由奔放とは、まさにアレ。



「いつまで跳んでいられるかなぁ?」



敵は反撃したくても、この鎖を止められなければずっと跳び続けるしかない。



ゆーちゃんが飽きるまで、地獄は終わらない。


そうこうしているうちに、敵の体力はなくなっていった。