絶対領域







幕を下ろした、バンちゃんのショーの奥では。


しん兄が交戦していた。



瞬時に相手の行動パターンを見極め、堅実に仕留めていく。




「メガネくんは勉強でもしてろ、よっ!!」



背後から不意打ちを狙い、敵が飛びかかるように鉄パイプを振り下ろした。




しん兄は、ちょうど前方の敵3人と戦ってる真っ最中。


後方の攻撃が察知されてしまっても、他の連中を相手しながらでは不可避だ。



……とでも想像してそうに、敵サイドは高をくくってほくそ笑む。




「阿呆か」



なんて都合のいい想像なんだろう。




「ぐぁ……!」

「ガハッ!」

「っ……!!」


顎に右手でアッパー、胸板に左手で張り手、股間に右足でキック。


前方の敵3人を一瞬で片付けたしん兄は、体の向きを変えずに、右肘を勢いよく後ろに引いた。



「ぐほっ……!」


「無駄口も、無駄な動きも、多すぎるんだ」



しん兄に鉄パイプがぶつかる前に、右肘が後方の敵のみぞおちにヒットする。


さらにもう一発。

振り返って、念を押すように再びみぞおちを殴った。



「うっ、……けほっ」



後方の敵は尻もちをつき、みぞおちを抑える。




しん兄は行動パターンを把握済みなのだから、避けられない攻撃は無い。


しかも、脳内で数手先を計算しているため、しん兄の攻撃は当たりやすいのだ。




「勉強しなければならないのは、お前らのほうなんじゃないか?」