絶対領域





心臓の下らへんに、フツフツと熱っぽいものが沸き上がってくる。


どうやっても抑えられなくて、殺気が漏れ出てしまう。



これは、怒りだ。




あず兄を監禁しなかった理由や、私たちを放置した真意を確かめようと思ったけど、それはあとにしよう。


まずは、こいつらをボコボコにしないとやりきれない。




何周か回った3台のバイクは、一か所に集まった。


バイクから降りると、ガラの悪い連中は明らかに警戒する。



敵の人数は、監禁する前より増えていた。

約40人、ってところかな。



「お、お前ら、何者だ!」



ここでもったいぶっても仕方ない。



返答する代わりに、私以外は皆ヘルメットを取った。


あらわになる正体に、連中は驚きを隠せない。




「な、なんで、ここに神亀の幹部が……!?」


「あいつ、倉庫に閉じ込めてたはずなのに……!」


「なんで居場所がバレてんだよ!!」


「あいつが倉庫から出てるってことは……あ、あの女も……っ」




ご名答。

ヘルメットしてても、制服が女物だし、すぐわかっちゃうよね。



私もヘルメットを取り外す。


雨に濡れて、べったり張り付いたミルクティー色の髪を、手の甲で払った。