絶対領域





待ってて、あず兄。

今、助けに行くから!





例の横断歩道で、バンちゃんと合流した。


さらにスピードを上げて、バイクを飛ばす。




「あ、見えたよぉ」



ゆーちゃんの声に誘われ、目を凝らしてみる。


前方には、北校の校舎があった。



このまま突っ走れば、北校の裏門に着く。


みーくん曰く、裏門を真っ直ぐ進むのが、グラウンドへの超近道らしい。



「こっそり行く~?堂々と登場する~?」


「ここは……堂々と乗り込んでやろう!」


「そうこなくっちゃねぇ!」



間延びした返事と共に、ブオンブオン、とわざとらしく轟かせる。



派手に、かっこよく、乱入しよう。

私たちの武勇伝らしく。


この雨も演出だと思い込めば、いささか気が楽だ。




裏門は開きっ放しで、不用心だった。


おそらく、ガラの悪い連中もここから入って、閉じずにそのままにしたんだろう。



ゆーちゃんは慣れた手つきで、勢いを殺さずに裏門を急カーブした。


ついに、北校に侵入だ!




グラウンドに近づく度に、やかましさがクリアになってくる。


雨音でそれなりに緩和されているが、言わずもがなうるさい。


これでまだ近所迷惑になってないのが不思議なくらいだ。




……だけど、これで、しん兄の推理は正しかったと証明された。