絶対領域





しん兄だから、見当をつけられたんだ。


無理だって諦めなくて、よかったね。




『この雨で、少しうるさくした程度じゃ周りも気づかない』


「だから、目撃情報もあんまりなかったんだ~」



ため息を吐くバンちゃんに、ゆーちゃんは唇を尖らせた。




あず兄の居場所はわかった。

あとは、助けに行くだけだ。



「俺と紫は一旦たまり場に行って、双雷の幹部メンバーも連れて駆けつけるよ!」



やる気あふれるみーくんに、お礼を告げる。


双雷も一緒なら、心強い。

戦力は多ければ多いほどいい。




みーくんとゆかりんは、一足先に倉庫をあとにして、双雷のたまり場に向かった。


バンちゃんはたまり場から、私たちは倉庫から、それぞれバイクで北校を目指す。




私はゆーちゃんの、せーちゃんはしん兄の後ろに乗せてもらうことになった。


ヘルメットをかぶり、エンジン音で雨音をかき消す。




「北校に、行こう!」




美しい暗闇さえも、霞む。

どしゃ降りの雨の中。


もの凄い速さで、バイクを走らせる。




汚れたって、痛くたって、かまわない。


大切な人を救うためならば。