しん兄の右手に、そっと触れる。
両方の手のひらで包んで、ぎゅっと握った。
「力を貸して、しん兄」
諦める。
その選択をするのは、まだ早い。
手から目へ、たどっていったしん兄の視線と、交わる。
「俺は、皆に頼りにされるような、立派な人間じゃない」
そんなことない!
と、言い返す前に、手を握り返された。
泳いでいた眼差しは、一度瞼を隔てると、凛々しいものに変わっていた。
「だが、いつかそんな人間になれたと胸を張って言えるように、力を尽くそう」
「それじゃあ……!」
「ああ、やってみる。あずきの居場所の特定を」
繋がった手から、「ありがとう」を感じて、心が温かくなる。
私の言葉や皆の信頼が、ほんの少しでもしん兄に自信をもたらしてくれたらいいな。
ガラの悪い連中が何をしているか定かではない以上、私たちに余暇はない。
しん兄は、バンちゃんと情報を共有しながら、範囲指定された地図を眺める。
脳を働かせて、情報と地形を分析して。
あらゆる予想の中から最も可能性の高い答えを探っていく。



