絶対領域





「どんな時でも自分をサポートしてくれる、頼れる存在。そう思ったから、あず兄はしん兄を副総長にしようとしたんだよ」



直接あず兄から聞かなくても、容易に汲み取れる。


あず兄としん兄の絆を、中学生だった頃から見てきたんだ。




……ねぇ、憶えてる?



『俺の場合、追いかけたんじゃない。こいつの付き添いだ』


花火を楽しんだ日、しん兄がああ言ったあとに、



『俺を心配して付いてきたって、正直に言えよ』



あず兄が嬉しそうに、そう話してたよね。


あの時のあず兄が、全てなんじゃないの?




「しん兄、もっとあず兄を信じて」



想いを、信頼を、関係を。

そして、自分を。


見て見ぬフリしないで。




『慎士を信じてるのは、あずきだけじゃない』


「そうだよぉ!僕たちも信じてるよ~」


「信じてなきゃ、頼んねぇよ!」



仲間の熱が、伝染して。

しん兄の両耳についたピアスを、光らせた。




あず兄本人じゃないから、しん兄の中にくすぶってる後悔を、完全に払拭することはできないかもしれない。


だけど、それでもいいんだ。



後悔は、繰り返すものじゃない。

やり直すために在るんだから。