『ごめん、そのくらいしか範囲を絞れなかった』
「ううん、そんなことないよ。バンちゃん、ありがと」
範囲内には、繁華街近くの横断歩道と繁華街の一部、それから西校と北校も入っていた。
この範囲全体をしらみつぶしに捜すしかないのだろうか。
せめて情報がもっとあれば……。
『……あ』
ふと、しん兄の携帯の向こう側から、呟きが響いた。
『お前なら、あずきの居場所を推測できるんじゃないか?』
バンちゃん……?
お前、って誰を指してるの?
『なあ、慎士』
皆の視線が、しん兄に注がれた。
さらり。
雨粒で濡れた、こげ茶色の髪がなびく。
「本当に……?」
しん兄なら、わかるの?
「確かに~!シンって頭いいし、分析力に長けてるし~」
「何より、あずき兄さんの親友……いわば右腕だし!あずき兄さんの言動を汲み取って、ある程度推理することはできるかもしれねぇ!」
うんうん、と納得するゆーちゃんに付け足すように、せーちゃんも一縷【イチル】の望みを抱く。
だが、
「無理だ」
あっけなく切り捨てられてしまった。



