絶対領域





あり得ない話じゃない。



携帯と血痕が残っていた場所が、全く同じなだけじゃない。


狙われたのは、以前新人いびりに遭ったことのある、神亀と双雷のメンバー。




偶然にしては出来すぎている。




『何か心当たりがあるのか?』



私たちの反応を察したバンちゃんに、みーくんがさっきしん兄とゆーちゃんにもした説明を繰り返した。



不審な点が多いが、一致する点も少なくない。


あのガラの悪い連中に、あず兄も絡まれたと考えていいだろう。




「あず兄は、たとえ喧嘩中であろうとも、自分の携帯をうっかり落とすようなドジはしない」


「そうだな。故意である可能性が高い」



しん兄の言う通り。

十中八九、わざと携帯を落としたんだ。



「たぶんあず兄は、私たちに手がかりを残してくれたんだ」



この場で何かあった、と私たちに教えるために。


血の跡と共に。




ただ、やはり、ガラの悪い連中の真意がわからない。



今までと同様の新人いびりだったら、倉庫に敵がいるはずだ。

けれど、倉庫の中にも外にも見張りはおらず、私たちを放置するのみ。


私たちにとっては、監視役がいなくて非常に助かったが、違和感しかない。



私たちをほったらかしにしなければならない理由でもあったのだろうか。


例えば、スタンガンで気絶させた私たちを人質にして、あず兄を脅し、また違う場所で新人いびりを続けている……とか?



それでもやっぱり私たちを見張っていないと、人質の意味をなさない。