「携帯が落ちてた場所は?」
『その声は……翠、か?』
「ああ、紫もいるよ」
『なんで2人も一緒に……』
「それはあとだ。まずはあずきのことを教えてくれ!」
みーくんは、テキパキと情報を整理しようとする。
……そうだ。
落ち着け、私。
今大事なのは、冷静さだ。
しっかりしなくちゃ!
『携帯が落ちてたのは、繁華街近くの横断歩道だ』
脳裏を、過る。
監禁される前。
信号の手前での、一戦。
瞼の裏でチカチカ点滅する赤と青が、目障りで、煩わしい。
「そ、そこってもしかして、いろんな学校の通学路になってるところですか?」
『ああ、そうだ』
ゆかりんの質問に肯定が返ってきて、私とせーちゃんとみーくんとゆかりんは同時に顔を見合わせた。
あそこだ。
ガラの悪い連中が襲ってきた、あの場所だ。
間違いない。
これは偶然?
「……もし、」
せーちゃんの拳が、きゅっと固く握りしめられる。
「俺たちがスタンガンでやられた直後に、あずき兄さんがあの場に遭遇していたとしたら……」
息を、呑んだ。



