『ユカなら大丈夫だよ!』
――ユウ、またダメだったよ。
『安心して?僕が守ってあげる』
――ううん、それじゃ意味ないんだ。
守られてばかりは、嫌なんだ。
ピリリ、と脳に痛みが走った。
心なしか、全身の感覚が少し麻痺しているみたいだ。
違和感の気持ち悪さに、意識を取り戻していく。
「……ん、」
うっすら瞼を持ち上げる。
視界が開けても、世界は薄暗くて。
まだ寝ているんじゃないか、と疑ってしまう。
僕、寝ぼけてる……?
寝惚け眼を軽くこすろうとして、気づく。
「あれ?あれれ??」
腕が、動かせない!?
なんで?どうして?
「腕と足、縛られてるから動かせないよ」
「あっ、な、なるほど……って、え!?」
横から答えが聞こえて、首を回してみれば。
そこには、両腕と両足をしっかり縄で拘束された、翠くんの姿があった。



