「っ、ひぃぃいい!!」
大胆不敵なみーくんとは裏腹に。
左側にいるゆかりんは、絶賛号泣中。
「……い、痛く、ない……?」
ゆかりんは恐る恐る片目を開けば、正面にはナイフが。
条件反射で両手を上げて、パチン、とナイフの刃を受け止めていなければ、今頃ゆかりんはお陀仏だったかもしれない。
あれっていわゆる、真剣白刃取り?
ゆかりん、すごいな。
だが、今のゆかりんには、ギラリと光る刃しか見えていない。
軽いパニック状態のまま、ナイフを挟み込んだ両手を素早く真横にずらして。
よろめいた敵の顔面を、往復ビンタ。
「こ、殺されるぅぅぅ!!」
敵の顔は腫れあがり、意識も朦朧としてきているにもかかわらず、ゆかりんの錯乱は続いた。
敵のお腹めがけて、右膝をねじこませる。
その後、すぐさま背負い投げをした。
しかも、ガラの悪い連中のいる方向に投げたので、敵を何人か巻き添えにした。
恐るべし、ゆかりん。
双雷幹部も伊達じゃない。



