絶対領域






「世奈も行くの?」


「もちろん!姉ちゃんのところと、あずき兄さんと慎士兄さんのところは絶対行く!」



待って、せーちゃん。

そんな意気揚々と言っちゃったら……。



「萌奈のところ、何するの!?」



ほらやっぱり、みーくんが興味を持っちゃったじゃないかー!




「童話喫茶!」


「童話喫茶!?何それ!」


「童話の登場人物のコスプレをしてもてなすカフェだよ!」


「なんかすごいな!萌奈もコスプレするの!?見たい!」




やめて。

説明しないで。盛り上がらないで。期待しないで。


これ以上プレッシャーを増やさないで!




「紫も行こ!」


「う、うん、行きたい、な」


「あっ、そうだ!凰と緋織と蘭次郎も誘おうぜ!」


「た、楽しくなりそうだね」


「なあ世奈、俺らと待ち合わせて一緒に行こ!」


「んじゃあ、皆であずき兄さんと慎士兄さんのクラスに突撃しようぜ!」


「お、お2人は同じクラスなの?」


「ああ。なんでもホストクラブをするらしい!」


「ホストクラブ!?何それ!絶対行かなきゃじゃん!」


「だろ!?」




みーくんとゆかりんとせーちゃんで、着実に明日の予定を決めていく。


楽しそうで何よりデス。



もうどうにでもなれ。



……いたた。

また胃が痛くなってきた。