絶対領域





やっぱり、2人の、赤メッシュとアプリコットオレンジの髪色は目立つ。


ありふれた学ランを着ていても、一目見ればすぐに気づける。



「こ、こ、こんにちは」


「ここには、ゆーちゃんはいないよ」



目ん玉を泳がせてキョドるゆかりんに、そう教えてあげる。

安心したように、ほっと息をついた。




「ねぇ、文化祭あるの!?」



みーくんが若干前屈みになって、黒目を輝かせる。


私より数センチ低いから、この体勢だと、顔が近い上に上目遣いになって。



きらきら効果が2割増しになってしまう……!



「あ、明日、あるよ」


「行きたいっ!」



ずるい。

2割増し効果を利用するなんて!



本当は来てほしくない。


恥ずかしいし、恥ずかしいし、何より恥ずかしいから!!



でも。

「……い、いいよ」



私はそのきらきらに弱いんだってばー!




「近い。離れろ」



せーちゃんが繋いだままの手をグイッと引っ張ってくれたおかげで、みーくんから逃れられた。


ピュアって怖い。