絶対領域







しっかり休息を取るつもりが、あまり疲労を失くすことはできないまま、貴重な昼休みはあっという間に終わってしまった。





そして、昼下がり。

各クラスごとに、文化祭準備が始まる。




接客係の私がやるべきことは、主に2つ。


装飾の手伝いと、衣装の最終調整だ。



具体的な仕事は、クラスメイトに聞いたら答えてはくれる。


だけど、未だに私との接し方に悩んでいるのが、手に取るように伝わってくる。



私がいないほうが、もっとスムーズに作業できるんじゃないの?

……そう考えちゃうくらい、クラスメイトがよそよそしくて、悲しい。


だからって、サボるわけにはいかない。



クラスメイトと協力して、ちょっとでもいいところを見せて、あわよくば仲良くなるんだ!友達を作るんだ!


頑張れ、私!

めげるな、私!



心の中で気合いを入れて、作業を再開する。



今行っているのは、壁の上側の飾り付けだ。


童話の世界観らしいメルヘンチックな雰囲気にするため、花や星などの立体的な飾りを貼り付ける。



椅子を台にして、さらにつま先立ちしないと、女子の身長じゃ届かない。

結構大変かも。



「ふぅ、終わった……」



なんとか頼まれた分を飾り終え、椅子から下りる。


次は何をすればいいんだろう。