知らない人、といえば。
途中で去っていった人たちは、どうしているんだろう。
あの黒髪の男の子は無事だろうか。
「……気になる?」
「へ?」
何が、誰が。
そう詳しく言わずとも、汲み取れた。
私の思考が、彼には手に取るようにわかってしまったんだ。
なんでわかったんだろう。
私、わかりやすかったのかな。
「気になり、ます」
ここで嘘をついても仕方ない。
黒髪の男の子が無事かどうか、知りたい。
それに、黒髪の男の子の口から、真相を聞きたい。
――なぜか、とても、会いたい。
「会いに行ってみる?」
「……へっ?」
また、考えを読み取られた。



