「姉ちゃんのとこも行くからねっ!」
「うん、待ってるよ」
「萌奈は裏方か?それとも接客すんのか?」
あず兄の質問に、私は項垂れた。
私はね、裏方がやりたかったの。
でも、接客する側の人数が足りなくて。
公正なくじの結果……
「も、萌奈?」
「どうしたの、姉ちゃん!?」
「……私、接客やることになっちゃった」
……そういうことになっちゃったわけです。
なんで当たりを引いてしまったんだろう。
ツイてない。
「いいじゃねぇか、接客」
「やったー!姉ちゃんにもてなしてもらおっ!」
「よくない!これっぽっちもよくない!」
やったー、じゃないよ!
変にプレッシャーを感じてるんだよ、私は!
「接客はともかく、コスプレが問題なの!」
「いや、そっちも大丈……」
「童話キャラのコスプレでしょ?私、似合う?大丈夫?私のせいで、お客さんが来なくなったらどうしよう!!」
あず兄のフィルターかかりまくりのフォローなんか、どうでもいい。
ただでさえクラスでぼっちなのに、私が原因で童話喫茶が大失敗しちゃったら……。
私の高校生活が、本当の意味で終わっちゃう!