オウサマの言う通り、興味深いね。
神亀と双雷が出会った当初は、皆で花火をするなんて想像もしてなかった。
「不良になってなかったら、皆さんと出会うこともなかったかもしれないんですよね……」
「不思議な巡りあわせだよねぇ」
感動しているゆかりんの顔を、ゆーちゃんが覗き込む。
しかし、ゆかりんは即座にゆーちゃんに気づいて、逃げてしまった。
「こ、こういうのを、う、運命とか奇跡っていうんじゃ……!?」
「単なる偶然だっつの!」
はい、そこの暴れ馬くんたち。
勝手に口論の続きを始めないでくださーい。
「運命でも奇跡でも、偶然でもなんでもいいよ」
みーくんは嬉しそうに線香花火の束を持って、一人ずつに配っていった。
神亀、双雷のメンバー、そして最後に私へ。
「またこうやって皆と花火ができたら、俺はそれで幸せだよ!」
私の正面にやってきて、ひとつの線香花火を差し出す。
恐る恐る受け取れば、わずかに指先が触れ合った。
「そうだろ?」
「……うん、私も幸せ」
どんな言葉だって、私たちの繋がりの名前になる。
だから、決めつけなくていいんだ。
誰かが、あの出会いは運命だ、と言って。
違う誰かは、あの関係は奇跡だ、と言って。
また違う誰かは、言う。
あの出来事は偶然だ、と。