絶対領域





どうしたら、俺は。


“あの時”に囚われたままの姉ちゃんを、救い出せるのだろうか。






路地から繁華街の大通りに抜け、双雷と別れた。


俺たち神亀は、東へ。

翠たち双雷は、西へ。


各々のたまり場へ進んでいく。



バイクで来た慎士兄さんと万さんと悠也は、先にバイクでたまり場に向かった。





ネオンがちらつく繁華街を出て、少し歩いていくと、ちょっとずつ人の影がなくなってきた。


そして、いつの間にか、道には俺たちしかいなくなる。



夕方と夜の狭間。

寂れた町並みを通り過ぎた先に。


――俺たちの領域がある。




街はずれの現在地。


ひと際存在感を放つ、俺たちのたまり場。


どでかい倉庫の脇には、十数台のバイクが停められていた。



俺たちは何のためらいもなく、倉庫の中に入っていった。