絶対領域





双雷には、神亀と同等の力がある。


強さと人数は、あるに越したことはない。



敵とか味方とか、違う暴走族だとか、今はどうだっていい!




「なあ、力を貸してくれ!」



突然俺がそう頼めば、双雷のメンバーは目を見開いた。



虫がいいのはわかってる。

自分勝手だってことも、昨日と態度が違うってことも。


それでも。



「頼む……!」



深く頭を下げる俺に、誰かが笑みをこぼした。



「当たり前じゃん」



……え?

当たり前?


たどたどしく頭を上げていく。


翠は優しく微笑みながら、俺を正視していた。




「困ってるんだろ?」