出てきたナポリタンを一口頬張ると、随分とお腹がすいていたことを実感する。
雑談の中で見えてきた真鍋さん像は、とても芯のある女性だということ。
今回の転職も、自分のスキルアップのためだと話してくれた。
「そもそも進めてくれたのは藤瀬くんだったのよ」
食事のコーヒーを啜りながら、真鍋さんはそう言った。
「藤瀬…さんが?」
『藤瀬さん』と呼んだのはいいが、なんとも言えない感情が湧き出てしまって、思わず眉を寄せてしまった。
「私もあと2年で30なの。このまま今の会社で経験を積むのもいいけれど、自分の力を試したいとも思う。それで悩み始めちゃって」
確かに現実的に考えて、女が転職する時期は早いにこしたことはない。
年齢を重ねれば重ねるほど、結婚出産などを見据えられ、女性の転職率は下がる一方だからだ。
「藤瀬くん、人のちょっとした変化にも敏感でね、先を悩んでいたことを言い当てられちゃった」
「そうなんですか……」
そんなスキルがもっと昔にあれば、私はもっと前向きに恋愛を楽しめたかもしれないのに。
……いまさらだけど。
「大手クライアントのコンペでいつもかち合う会社があるんだけど、そこが即戦力になる人材を探してる。話を通しておいたから、一度会うだけ会ってみたらどうかって」
「ライバル会社なんですよね?」
「そうなの。ライバルといっても相手はとても大きな会社でね?本当ならうちなんて相手にもならないくらいなんだけど、藤瀬くんは一度も負けたことがないわ」
そうなんですか……と呟いて、私は黙って俯いた。
藤瀬くんと私。
同じ時間を歩いていたあの頃とは違い、今ではこんなに差が広がってしまったと痛感したからだ。
雑談の中で見えてきた真鍋さん像は、とても芯のある女性だということ。
今回の転職も、自分のスキルアップのためだと話してくれた。
「そもそも進めてくれたのは藤瀬くんだったのよ」
食事のコーヒーを啜りながら、真鍋さんはそう言った。
「藤瀬…さんが?」
『藤瀬さん』と呼んだのはいいが、なんとも言えない感情が湧き出てしまって、思わず眉を寄せてしまった。
「私もあと2年で30なの。このまま今の会社で経験を積むのもいいけれど、自分の力を試したいとも思う。それで悩み始めちゃって」
確かに現実的に考えて、女が転職する時期は早いにこしたことはない。
年齢を重ねれば重ねるほど、結婚出産などを見据えられ、女性の転職率は下がる一方だからだ。
「藤瀬くん、人のちょっとした変化にも敏感でね、先を悩んでいたことを言い当てられちゃった」
「そうなんですか……」
そんなスキルがもっと昔にあれば、私はもっと前向きに恋愛を楽しめたかもしれないのに。
……いまさらだけど。
「大手クライアントのコンペでいつもかち合う会社があるんだけど、そこが即戦力になる人材を探してる。話を通しておいたから、一度会うだけ会ってみたらどうかって」
「ライバル会社なんですよね?」
「そうなの。ライバルといっても相手はとても大きな会社でね?本当ならうちなんて相手にもならないくらいなんだけど、藤瀬くんは一度も負けたことがないわ」
そうなんですか……と呟いて、私は黙って俯いた。
藤瀬くんと私。
同じ時間を歩いていたあの頃とは違い、今ではこんなに差が広がってしまったと痛感したからだ。


