純真~こじらせ初恋の攻略法~

主語述語って小学校の時に習ったでしょ?

それを使わず当たり前に会話ができるって、なんなの?

お財布は一番大切なものなんじゃないの?

お金だけじゃない。

カードだって免許証だって色々入ってるはず。

それをポイっと投げて相手に渡しちゃうってどういうこと?

いつもの、って。

いつもそうやって真鍋さんに……。

次々と湧き出る感情に侵食されそうで笑いが出る。

いまさらなんだっていうの?

こんな感情が湧いてくること自体どうかしてる。

あの人は、今の私とは関係の無い人なのだから。

私が疎外感を感じることなんてない。

そもそも疎外感ってなによ。

ありえない。

「お昼行こうか」

真鍋さんに誘われるまま、私は彼女の後を着いて行った。

二人でやってきたのは会社の前の道の並びにある小さなレストラン。

ダンディーなヒゲのオジ様夫婦が営んでいるらしく、メニューの大半に『昔懐かし』と明記してある。

ナポリタンにヒレカツ、オムライスにハヤシライスなど。

メニューを見る限り懐かしいと思えるほどの歳ではないけれど、それでもそんな雰囲気を味あわせてくれるお店だった。

私はナポリタンを頼み、胸の中の黒い部分を洗い流すかのように水を体の中に流し込んだ。