純真~こじらせ初恋の攻略法~


そんなどん底にいた私は、追い打ちをかける話を耳にすることになる。

気落ちした翌日、コンビニに向かった私は、同じクラスの田添由加里(タゾエユカリ)から声を掛けられた。

「もうすぐ卒業だね~」

「そうだね……」

由加里は気さくに話しかけてくるけれど、私は彼女がとても苦手だった。

気が強く強引で、人との距離を測ることができない彼女は、私達のグループだけでなく、私と藤瀬くんの中にもずかずかと入りこんでくるようなタイプの女子だった。

正直言えばとても迷惑だったけれど、藤瀬くんは何も言わないし、私も拒否して反撃されるのも嫌だったので、敢えて受け流しをしていたのだが。

由加里にはそれがあまり伝わらず、最後まで迷惑していたのだ。

「そういえばさ、真斗って転校すること、茉莉香に伝えてなかったんだって?」

「え?」

いきなり由加里の口から藤瀬くんの転校の話が出て、私は取り繕うこともできないほど驚いた。

「どうしてそんなこと……」

「どうしてって、真斗に直接聞いたから」

ニヤリと底意地悪く笑った由加里の顔が、ぐにゃりと歪んだ気がした。

どうして由加里が藤瀬くんに直接聞けるの?

いつから由加里は藤瀬くんのことを『真斗』と呼び捨てにするようになったの?

なんでそんな歪んだ笑みをしているの?

たくさんの疑問が頭をぐるぐる回りだし、立っていられないんじゃないかと思うほどに目が回りだした。