純真~こじらせ初恋の攻略法~

視線を落としたままの田原くんに変わって、小沢くんが口を開く。

「茉莉香は知ってたのか?真斗の進路のこと」

「藤瀬くんの進路?」

そんなこと、私が一番知りたいことに決まってる。

結局私は藤瀬くんに進路のことを聞く事ができないまま今を迎えているのだから。

「真斗、転校するんだと」

田原くんが吐き捨てるようにそう言った。

「転校……?」

「今週末だよ。卒業式の日に発つんだとよ」

田原くんがそう説明してくれたが、私は田原くんが何を言っているのか。

言葉の意味が全然理解できない。

藤瀬くんが転校するっていうの?

今週末にはいなくなっちゃうっていうの?

頭が全然回らなくて呆然としている私を、小沢くんはきっと睨みつけた。

「茉莉香は知ってたのかよ」

「え……」

「職員室に行ったら先生たちが話してるのを聞いたんだ。まさかと思って真斗に連絡したら、謝りながら白状したよ。俺たちに黙ってるなんて、どれだけ軽く見られてんだって話だよな」

ショックと怒りが入り混じった表情で、田原くんは吐き捨てるようにそう言った。

「茉莉香は聞いてたのか?口止めでもされてた?」

小沢くんも怒りを隠そうともせずに私を問い詰める。

「口止め……されてたらよかったのに」

「は?」

田原くんたちを軽く見ているというのなら、いったい私はどう見られてたのだろう。

彼女だっていうのに……どういうふうに見ていたの?

「私は何も知らない。……なにも聞かされてないよ」

これっぽっちも大切に思ってくれてなかったってことなの?