不安の気持ちが表情に出ていたのだろう。
藤瀬くんは苦笑いを浮かべて私のデスクに回ってくると、顔を寄せた。
「朝礼終わったら資料室に来て」
そう一言囁き席に戻る。
そんなこと、わざわざ耳打ちしに来ることでもないじゃないか。
私達を遠目に眺めながらニヤついている、他の社員の視線から逃れるようにそっと顔を伏せた。
これ、完全に私達のこと噂になってるよね……。
ただでさえ湯川さんの一件で、うちの課の人達は大半が悟ったはずだ。
詳しくはわからないにしても、私を巡って藤瀬くんと湯川さんに何かが起きた。
それは二人の態度と言葉、変わってしまった関係性で、知るところとなったからだ。
もちろん美海さんは、あの日私と湯川さんが泊りになったことも知っていたし、私が藤瀬くんのことを意識していることも知っている。
誤解のないように、けれど簡潔に報告したので、変な勘繰りをされることはなかった。
しかし湯川さんに対する美海さんの怒りは振り切れていて、『湯川のヤロウ、マジでボコって埋めるっ!』と言い放つ彼女を止めるのに必死になったものだ。
「多分……だけどさ」
ふと隣の席で美海さんがポツリと呟く。
「藤瀬くん、そろそろ限界に来てるんだと思うよ」
「限界?何に対してですか?」
小声で聞き返した私に対して、美海さんは意味あり気にニコリと笑い、「いろんな意味で」と含んだ言い方をした。
『いろんな意味で藤瀬くんは限界を迎えようとしている』
それがどういうことなのかはわからないけれど、これ以上聞いても美海さんははぐらかすばかりで、何も教えてはくれなかった。
呼び出された資料室で、私はもう少し藤瀬くんのことを知ろうとしてもいいのだろうか。
そんなことばかり考えていたせいで、朝礼の内容は全く頭に入らなかった。
藤瀬くんは苦笑いを浮かべて私のデスクに回ってくると、顔を寄せた。
「朝礼終わったら資料室に来て」
そう一言囁き席に戻る。
そんなこと、わざわざ耳打ちしに来ることでもないじゃないか。
私達を遠目に眺めながらニヤついている、他の社員の視線から逃れるようにそっと顔を伏せた。
これ、完全に私達のこと噂になってるよね……。
ただでさえ湯川さんの一件で、うちの課の人達は大半が悟ったはずだ。
詳しくはわからないにしても、私を巡って藤瀬くんと湯川さんに何かが起きた。
それは二人の態度と言葉、変わってしまった関係性で、知るところとなったからだ。
もちろん美海さんは、あの日私と湯川さんが泊りになったことも知っていたし、私が藤瀬くんのことを意識していることも知っている。
誤解のないように、けれど簡潔に報告したので、変な勘繰りをされることはなかった。
しかし湯川さんに対する美海さんの怒りは振り切れていて、『湯川のヤロウ、マジでボコって埋めるっ!』と言い放つ彼女を止めるのに必死になったものだ。
「多分……だけどさ」
ふと隣の席で美海さんがポツリと呟く。
「藤瀬くん、そろそろ限界に来てるんだと思うよ」
「限界?何に対してですか?」
小声で聞き返した私に対して、美海さんは意味あり気にニコリと笑い、「いろんな意味で」と含んだ言い方をした。
『いろんな意味で藤瀬くんは限界を迎えようとしている』
それがどういうことなのかはわからないけれど、これ以上聞いても美海さんははぐらかすばかりで、何も教えてはくれなかった。
呼び出された資料室で、私はもう少し藤瀬くんのことを知ろうとしてもいいのだろうか。
そんなことばかり考えていたせいで、朝礼の内容は全く頭に入らなかった。


