純真~こじらせ初恋の攻略法~

そんなことがあって以来、私と藤瀬くんの関係は一歩前進したと言えるだろう。

しかし肝心な言葉を伝えていないのも事実。

それについてはいまだに後悔している。

しかし初恋をいつまでも拗らせてしまっている私にとって、言葉にするということのハードルの高さは簡単に克服できそうにない。

だから微妙な関係になった今でも頭を抱えているわけだ。

「茉莉香はアイツとどうしたいの?このままにするつもりはないんでしょ?」

亜弓は私と藤瀬くんが簡単に進展すると思っているようだけれど、思うようにことが進むのならば、こんなに悩んだりしない。

「確かに今は言葉にできない関係なんだよね……。私だってこのままでいいわけないってわかってるんだけど」

良いほうに事が運べば問題ないのだが、そうならなければ大きな問題が生まれてしまうのだ。

何せ私は藤瀬くんのアシスタントなのだから。

仕事に支障が出ることや、顔を合わせ辛くなることなどは極力避けたい。

弱腰だけれど、安牌で行きたいと思ってしまう。あい

「だったら動かないと進まないじゃない」

強気な亜弓にとっては、この状況に不満しかないだろう。

「あのね、子どもじゃないんだから、感情のままに行動なんてできないものなのよ?ましてや茉莉香なんだから、そこも考えてあげないと」

私の恋愛に関して難のある性格を一番理解してくれている奈緒は、隣に座る私の腕を取って甘やかしてくれる。

「なかなか踏み出すのが怖い」

これが私の偽りない気持ちだった。