震える指を拳を握りしめることで堪える。
通話ボタンをスライドすると、瞬時に『茉莉香っ!』と藤瀬くんの声が聞こえてきた。
先程までの感情が嘘のように消えて、逆に胸がキュッと締め付けられる。
それと同時に、安心感が胸いっぱいに広がって、先程までの恐怖心が一気に緩和されていく。
いつのまに、こんなにも藤瀬くんのことが好きになっていたのか。
今までにないくらい、私はこの声を愛おしく感じた。
「藤瀬くん……」
名前を呼ぶと目頭が熱くなり、ポロポロと涙が次から次に零れ落ちてくる。
『湯川のヤローはどうした?もう大丈夫なのか?』
「さっき部屋から出てった……。大丈夫、何もされてないから……」
涙も止める事ができないくせに、こんな風に強がってしまうところが可愛げのないところだとわかってはいるんだ。
けれど心とは裏腹に、まだ藤瀬くんには素直になり切れない。
『ごめんな……何もしてやれなくて』
深く低く、藤瀬くんは一言そう言った。
「どうして藤瀬くんが謝るの?関係ないのに」
思わず口に出してしまった言葉に、藤瀬くんが『関係ないなんて言うなっ』と声を荒げたものだから、驚きと同時に涙も止まってしまった。
『俺は……関係ないなんて思ったこと、ないから』
「藤瀬くん……」
ダメだ。
今そんな風に優しい言葉を掛けられたら、せっかく止まった涙が再び溢れてしまうじゃないか。
『泣くほどの何かがあったんだろ?こんな時に強がるなよ』
藤瀬くんの言葉が心に沁みて、私は子どもの様にすすり泣いてしまった。
『ごめんな、側にいてやれなくて』
『一人にしてごめんな』
『胸を貸してやれなくてごめんな』
『すぐにでも飛んで行ってやれなくてごめんな』
藤瀬くんは何度も何度もそう言って、私が落ち着きを取り戻すまで声を掛け続けてくれた。
思う存分泣かせてくれた藤瀬くんから、一生分の『ごめん』を聞いた気がして、私は湯川さんのことも、そして私と藤瀬くんの過去の事も、全てが涙と一緒に流れ落ちた気がしていた……。
通話ボタンをスライドすると、瞬時に『茉莉香っ!』と藤瀬くんの声が聞こえてきた。
先程までの感情が嘘のように消えて、逆に胸がキュッと締め付けられる。
それと同時に、安心感が胸いっぱいに広がって、先程までの恐怖心が一気に緩和されていく。
いつのまに、こんなにも藤瀬くんのことが好きになっていたのか。
今までにないくらい、私はこの声を愛おしく感じた。
「藤瀬くん……」
名前を呼ぶと目頭が熱くなり、ポロポロと涙が次から次に零れ落ちてくる。
『湯川のヤローはどうした?もう大丈夫なのか?』
「さっき部屋から出てった……。大丈夫、何もされてないから……」
涙も止める事ができないくせに、こんな風に強がってしまうところが可愛げのないところだとわかってはいるんだ。
けれど心とは裏腹に、まだ藤瀬くんには素直になり切れない。
『ごめんな……何もしてやれなくて』
深く低く、藤瀬くんは一言そう言った。
「どうして藤瀬くんが謝るの?関係ないのに」
思わず口に出してしまった言葉に、藤瀬くんが『関係ないなんて言うなっ』と声を荒げたものだから、驚きと同時に涙も止まってしまった。
『俺は……関係ないなんて思ったこと、ないから』
「藤瀬くん……」
ダメだ。
今そんな風に優しい言葉を掛けられたら、せっかく止まった涙が再び溢れてしまうじゃないか。
『泣くほどの何かがあったんだろ?こんな時に強がるなよ』
藤瀬くんの言葉が心に沁みて、私は子どもの様にすすり泣いてしまった。
『ごめんな、側にいてやれなくて』
『一人にしてごめんな』
『胸を貸してやれなくてごめんな』
『すぐにでも飛んで行ってやれなくてごめんな』
藤瀬くんは何度も何度もそう言って、私が落ち着きを取り戻すまで声を掛け続けてくれた。
思う存分泣かせてくれた藤瀬くんから、一生分の『ごめん』を聞いた気がして、私は湯川さんのことも、そして私と藤瀬くんの過去の事も、全てが涙と一緒に流れ落ちた気がしていた……。


