湯川さんは不愉快そうに眉を寄せたが、私に背を向けてその場を離れ、ベッドに腰を下ろした。
「あの……」
最悪のことを考えていた私は、逆に声を掛けてしまう。
「取れば?電話。こんなにしつこいんだし、急用かもしれないじゃん」
私と目を合わせることなく、湯川さんは溜め息交じりにそう言った。
「ありがとうございます」
別にお礼を言うことでもないのだが、あまりの切り替えに戸惑いを感じてしまうのだ。
鳴り続けているスマホをポケットから取り出し画面を確認すると、藤瀬くんからだった。
画面越しに名前を見ただけで、私は全身から力が抜けていくのを感じた。
「なんだよ、その顔」
足を組んでベッドにふんぞり返って湯川さんが呟く。
「どうせ藤瀬あたりだろ」
私の表情を見て、お見通しとばかりに湯川さんは溜め息をついた。
「仕事の話かもしれないですし」
そう言いながら通話ボタンをスライドしようとした私に向かって、「藤瀬なら出ないで」と湯川さんは冷めた口調で言った。
「一つだけ真剣に答えてくれるなら、俺はこの部屋から出てくから。藤瀬の電話はまだ取らないで欲しい」
湯川さんの言葉に戸惑っている間に、出るタイミングを逃したスマホのバイブがピタリと止まってしまった。
「あの……」
最悪のことを考えていた私は、逆に声を掛けてしまう。
「取れば?電話。こんなにしつこいんだし、急用かもしれないじゃん」
私と目を合わせることなく、湯川さんは溜め息交じりにそう言った。
「ありがとうございます」
別にお礼を言うことでもないのだが、あまりの切り替えに戸惑いを感じてしまうのだ。
鳴り続けているスマホをポケットから取り出し画面を確認すると、藤瀬くんからだった。
画面越しに名前を見ただけで、私は全身から力が抜けていくのを感じた。
「なんだよ、その顔」
足を組んでベッドにふんぞり返って湯川さんが呟く。
「どうせ藤瀬あたりだろ」
私の表情を見て、お見通しとばかりに湯川さんは溜め息をついた。
「仕事の話かもしれないですし」
そう言いながら通話ボタンをスライドしようとした私に向かって、「藤瀬なら出ないで」と湯川さんは冷めた口調で言った。
「一つだけ真剣に答えてくれるなら、俺はこの部屋から出てくから。藤瀬の電話はまだ取らないで欲しい」
湯川さんの言葉に戸惑っている間に、出るタイミングを逃したスマホのバイブがピタリと止まってしまった。


