『桜ちゃん気持ち悪い』
『桜ちゃん変』
『あのうちの子、妖怪が見えるらしいわよ』
『桜ちゃんとは仲良くしてはいけません』




私は妖怪というものが見えるせいで小さい頃から友達がいなかった。

だから違う県に引っ越して高校から人生をやり直すと決めた。見えないふり。見えないふり。


「今日は入学式だからここまでだ。明日から授業あるから忘れんなよー早く帰れー」

「さよならーーー」





「長谷川 桜、ちゃん?」

ん??

「そうだよ?」

「入学式のときから思ってたんだけど桜ちゃんめっちゃ可愛いね‼︎よかったらお友達にならない?」

おお、おお!?さっさく!!!

「わ、私も友達になりたい!!!」

「決まりだね!」

「あ、私 北沢 実‼︎ よろしくね!
あ、もう帰らなきゃ!また明日ね!」

「うん!また明日!」