私を快く思ってないのか、こっちに見向きもせず料理を食べている。


あれが茉子ちゃんだ。


「心友と先生のぶんのお酒。はいどーぞ」


おしゃれなグラスに入ったシャンパンを渡される。


「じゃあもう一回乾杯しよーぜ!」


左手の薬指に指輪をはめた榊くんが言った。


その隣には同じ指輪をしている梨奈。


他にも結婚指輪をしてる人は何人もいる。


やっぱ年とったなぁ…皆。


「心友と先生の結婚を祝してカンパーイ!」


「「カンパーイ!!」」


懐かしい面々に囲まれ、彪斗とは別のテーブルにつくことになってしまった。


彪斗はやっぱり茉子ちゃんのテーブルだ。


さすがにもう嫉妬はしないけど、快くは思えない。


…と、複雑な気持ちでいると、彪斗が私の隣へ来てくれた。


「悪いな草苅。俺の奥さん、ヤキモチ妬きだから」


やっぱり私は、年をとっても彪斗にドキドキし続けるんだ。 


♡完♡