「ゆい、いま起きたって」

「相変わらずマイペースだなぁ~…。来るの2時間後とかになるんじゃないの~」

「ゆいらしいよね」

今起きた!と可愛らしいスタンプでゆいからラインが届く。

「そういえば、携帯のサイトで見ちゃった」

そう言って、美優が携帯の画面をわたしへ見せる。
あぁ…。
誕生日が終わって、美優とはるなには全てを話した。
光に彼女が出来た事。
2人は最低と光を罵ったけれど、話したのはそういう理由ではなく、わたしと光の事をよく知る人には話しておきたかったのだ。
綾乃には、何となく言えなかった。
ゆいにも。ゆいと光の間に本当に朝日の言ったような事実があったとしても、それは個人的な事でわたしには関係ない。
ゆいの口から言ったのでなければ、わたしから余計な詮索をする必要はない。

美優が見せた画面の中には、ネットのキャバ嬢サイト。そこにあの日光と一緒にいた人、南という女性が写っていた。

「それ、もう、見た」

「あ、マジ?」

「あたしってきもいよね?振られてるくせに彼女の事気になって、片っ端からキャバ嬢のサイト見ちゃった…」

「さくら、それは普通の感情だよ…
誰だって好きな人の彼女の事知りたくなるよ…」

七色グループでは見た事のない顔だと思ってた。
ダイヤモンドグループという、最近系列店を2店舗に拡大した勢いのあるグループの女の子だった。
だからか、他店でも見た事がないと思っていた。