私は何も知らなかった。無知すぎたのだ。どうかこんな無様で情けない私を笑って欲しい。そうすれば幾らか私の気持ちも落ち着くだろう。しかしそうはいかないのが現実である。あぁ、パトカーのサイレンが聞こえてくる。きっとこれから皆事情聴取を受けるだろう。皆頭が混乱したまま事情聴取を受け、警官を困らせてしまうのだろう。そういうことはあまりにも情けない上に事実が薄れてしまうだろう。だから今一度言っておこう。この事件の真実を知りたければこの私の書記を読んで欲しい。そうすればきっと何も困ることもないだろう。きっと全てがわかり全てが把握できるだろう。私が唯一恐れているのはこの事件の真実が有耶無耶になり謎に包まれることである。嗚呼どうか。どうか私を笑っておくれ。