「確認しなかったうえに勘違いをして逆ギレって、もう最悪じゃん」

聖恵は呆れたと言うように息を吐いた。

「最終的には通報を受けた警察の人がやってきて、そのお客さんは連れて行かれたみたいなんだけど」

「本当に大変だったね…」

「本当ね…」

私たちはやれやれと、息を吐いた。

「そりゃ、ある意味心が折れても仕方がないかもね…。

お客さんの全員が全員、話がわかる人ばかりじゃないんだし」

「もちろん、いいお客さんもいると言えばいるんだけどね」

職業は全く違うけれど、私も読者からクレームのような手紙やネットで酷評しているレビューを見たら心が折れてしまいそうになるのは事実である。

「それで、今はどうなっているの?

警察には連絡したの?」

聖恵が続きを促すように聞いてきた。