髪をとかし終えると、
「さて、行きますか」

私はカバンを手に持ってコートを羽織ると、自宅を後にした。

何日かぶりに吸った外の空気は、少しだけ冷たかった。

「もうすぐで春がくるんだなあ…」

この前までは雪が降っていたはずなのに、今では春間近である。

季節と言うものはあっと言う間だ。

「私はいつになったら春がくるのかな…?」

そう呟いた私だけれども、その問いに対して答えてくれる人は当たり前だけどいなかった。

おいおい、仕事に生きる宣言をしたばかりじゃないか。

ミヤジと聖恵に、そう宣言をしたじゃないか。

なのに、宣言したことに多少の後悔を感じている自分に嫌気を感じた。

我ながらダメである。

と言うか、酔った勢いで何ちゅーことを宣言しているんだ。