宇海の言葉に、武尊は凪美子との出会いを重ね、更に感銘を受けた。

今までとは考え方も変わった、適当ではなく前向きな就活になった。

それから武尊は、エントリーシートを提出し、面接に漕ぎ付けた。

他数社、面接を受けた。

今までとは考え方も変わり、前向きな就活になった。

一週間のうちに、何社か面接を受け、まだ安心はできず、引き続き就活に励んだ。

そんな中、凪美子は、武尊を探し回っていた。

きっと就活しているだろうと、合同説明会の会場へ向かった。

会場をくまなく探したが、会える訳もなかった。

路肩に車を寄せ、途方に暮れていた凪美子だった。

すると、遠くの方から、陽射しの暑さで揺らいで見える、人影が近付いて来た。

とぼとぼと歩く様子は、悲し気に見えた。

よく見ると、それは武尊だった。

凪美子は思わず車から降り、「武尊君!」と声を掛けた。

その声に気付いた武尊が立ち止まった。

この暑さも助けてか、疲れ切った様子の武尊を見て、

「大丈夫?」

凪美子が武尊に触ろうとすると、その手を避け、

「大丈夫です」

俯きながら答えた。

触れ損ねた手を収めた凪美子。