彼女のセカンドライフ


武尊は、この人事担当者にとても共感を持ち、話す機会を得て、名刺も貰うことが出来た。その名刺には、

〝 営業部課長、人事部特別担当、宇海匠 〟と書かれてあった。

宇海から話を聞き、彼自身も初めて所属した部署は、自分のやりたいこととは違うものだったと言う。

そんな自分だから、コミュニケーションを図っても、薄っぺらい言葉なんかで人の心なんて動かせるはずもなく、そのくせ一丁前に同僚の出世に嫉妬なんかして。              

直属の上司に、「人と本気でぶつかってみろ!」と言われ、とりあえず、面倒くさいものから逃げず、損得勘定や上っ面な言葉抜きで、人と本気で向き合うことで、相手の態度も変わり、気付けば私的意外に、仕事でも信頼できる仲間が増えた。

自分の向き合い方一つで、環境さえも変わり、出会いの大切さを知る。

例え出会ってすぐに分かれたとしても、その先必ずどこかで繋がっていると信じてる、と自分の経験談を語り、

「今僕等のこの出会いも、運命的な出会いだと思いますよ? だって、僕は出会えてよかったって思いますから!」

宇海は笑ってそう締め括った。