それから、秀奈を背負って、岡本と共に、二人が暮らすマンションまで、武尊が送った日のこと、 その帰り道、背中にずっしりと重みを感じた。
武尊の背中が心地よかったのか、秀奈は次第に微睡み、そのまま眠りに落ちた。
「秀奈、武尊君の背中で眠っちゃってるわ。意外と重いでしょう?」
眠った秀奈に気付いた岡本が話し掛けた。
「はい。結構来ますね」
「でしょ? でも、武尊君を信頼してる証拠よ?」
「そうなんですか?」
「うん。この子、結構人見知りするタイプだから」
それから、マンション入り口まで付くと、
「あ、そうだ! 武尊君、せっかくだから、夕飯一緒に食べて行って?」
秀奈のお迎えのお礼にと、岡本が誘った。
その言葉に甘えて、武尊は、ご馳走になることにした。



