それ以来、武尊のバイトするパスタの店に、凪美子は従業員を連れて、前よりも通うようになった。
武尊がホールに出ている時は、必ず会話をするようになり、どの時間帯にいるか、いつバイトが終わるかなど、聞けるようにまでなった。
ある日凪美子は、仕事が早く終わり、何気に時計を見ると、ちょうど武尊のバイトが終わる時間と重なり、夕飯にでも誘ってみようと、武尊のバイト先に赴いた。
店の前でしばらく待っていると、武尊が出て来た。凪美子が声を掛けると、その声に武尊は気が付いた。
食事に誘う凪美子を快く受ける武尊。
レストランに入り、二人は食事を始めた。
「バイト一体いくつ掛け持ってるの? 体調管理は出来てる? ご飯もちゃんと食べてるの?」
心配する凪美子の言葉に、
「何か母親に言われてるみたいだな」
苦笑いする武尊。



