彼女のセカンドライフ


週末、凪美子は打ち合わせが入っていた、その午前中での出来事。
 
車での移動の途中、ガソリンスタンドに入った。
 
そこは、窓ふきや灰皿交換などのサービスは一切なし。車は列を成していたが、その分回転率も速く、そしてリッター設定は、どこより安かった。
 
凪美子の元に、一人の従業員が駆け寄って来た。

威勢よく、「らっしゃい!」と声を掛けて来た。

見るとそれは、武尊だった。

「英君⁉ こんな所でも⁉」

凪美子はまたもの出会いに、驚きを通り越して、笑うしかなった。
 
武尊も呆れている様子だった。

「ここは時給がいいんで、何リッターにしましょう?」笑いながらも自分の仕事を続ける武尊。

給油も終わり、武尊の道路への誘導でガソリンスタンド出た凪美子。
 
バックミラー越しに、チラリと武尊を見ながら、
 
――あの子、一体いくつバイトしてるのかしら? 就活は? 大学にもちゃんと行ってるのかしら!
 
凪美子は心配すらした。